2021年度北海道支部大会 口頭発表・ポスター発表審査結果

2021年度北海道支部大会 口頭発表・ポスター発表審査結果


一般部門

■ 審査概要

一般部門は口頭発表1件、ポスター発表2件の発表がありました。

着眼点、問題意識、社会性、実用性・応用性、適時性等の観点から審査を行いました。

■ 全体的な講評

今年度は、市街地内の街路樹の景観評価に関するテーマ、沿道の草本管理手法に関するテーマ、コロナ禍における公園運営に関するテーマなど、みどりの管理・運営にかかわる研究発表がありました。審査の結果、優れた発表と評価された1件にポスター発表優秀賞を授与します。

 

ポスター発表優秀賞(1

大工 秀樹札幌開発建設部 国営滝野すずらん丘陵公園事務所、ほか3

「国営滝野すずらん丘陵公園のコロナ禍における管理運営について」

 

コロナ禍における公園の管理運営に関するテーマ発表です。

昨年2月からの緊急事態宣言の発令・解除の動きに合わせ、利用者の受け入れ対応をどのように行ってきたのか時系列にまとめた上で、入園者数の変動を把握しています。さらにモニタリング調査を通じてコロナ禍前後の来園者属性(年齢、集団、居住地)や満足度の変化を解明し、コロナ禍における公園運営のあり方について考察しています。

研究テーマ設定は適時性が高く、かつ研究成果は今後の公園運営に広く援用しうる実用性・応用性の高い知見を有しており、優秀賞にふさわしい発表と評価されます。


学生部門

■審査概要

  • 学生の口頭発表は6件,ポスター発表は24件の応募がありました。
  • 「新規性」「論理性」「表現力」「質疑応答」の4点について審査員7名(口頭発表3名,ポスター発表4名)による審査を行いました。

■全体的な講評

・口頭発表

新規性や独創性に富んだ意欲的な研究が多く,造園学の発展に寄与できる発表でした。今年度は,昨年度に引き続きインターネットを介した口頭発表セッションとなりましたが,多くの学生が,はきはきとしたプレゼンテーションを行っていたことが印象的でした。

今年度は,総合的に優れていると判断した発表は残念ながらありませんでしたが,着眼点,論理性や質疑応答が優れていた2件に口頭発表奨励賞を授与します。

・ポスター発表:

 今年度のポスター発表は,事前審査としてWebサイト上でのファイル掲載とコメントの書き込みによる質疑応答を実施し,加えて大会当日のオンライン発表の二段階で実施しました。大学での演習課題や卒業研究の中間報告が大半を占めましたが,地域課題や新たな社会ニーズに着目し取り組んでいるもの,感性豊かな発想を生かして意欲的に取り組んでいるものがみられ,今後の展開に期待が持てる発表が多い印象でした。

以上を踏まえ,特に表現力と質疑応答が高評価で,総合的に優れていると判断した2名にポスター発表優秀賞,着眼点及び今後の発展に期待が寄せられた2名にポスター発表奨励賞を授与します。

 

口頭発表奨励賞(2名)

伊藤 瑠海(いとう るみ)さん(北海道大学大学院農学院)ほか5名

「COVID-19の流行が国立公園利用者の混雑感に与える影響」

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)に関する意識の差異が,観光地での混雑感に及ぼす影響を明らかにしようとした研究です。きわめて話題性が高い研究テーマであり,ウェブと現地の双方でアンケート調査に取り組んで優れた分析を行っていたこと及び明快で的確な質疑応答ができていたことなどが高く評価されました。

千葉 利久(ちば りく)さん(北海道大学大学院農学院)ほか1名

「野鳥への餌付けが人と野鳥との距離に及ぼす影響」

野鳥が人間に対して保つ距離に着目し,緑地での餌付けが野鳥の行動に及ぼす影響を明らかにしようとした研究です。優れた着眼点があり,繰り返しフィールドワークを行ってデータを収集していたこと,提示された図表が理解されやすいように工夫されていたこと及び的確な質疑応答ができていたことなどが高く評価されました。

ポスター発表優秀賞(2名)

能戸 紫月(のと しづき)さん(札幌市立大学デザイン学部)

「der wald」

直感的に理解しやすいレイアウト構成になっており,童話をモチーフにした遊歩道のアイディア,絵本のような描画のタッチも含め,ポスターとしての訴求力,構成力が高く評価されました。またWeb上での事前審査,オンラインでの当日審査ともに適切な質疑応答ができており,ポスター発表としての総合的なバランスが高く評価されました。

葛西 芳枝(かさい はなえ)さん(室蘭工業大学工学部)

「高校生の地域に対する意識変化を促す地域課題解決型学習の方向性に関する研究」

改めて地域を見直す視点,広範な課題に対して具体的な取組みイメージが見出しやすかった点が評価されました。またポスターとしてのレイアウト構成も分かりやすく整理されており,卒業研究の中間報告ということもありますが,有意義な発展性を感じられるテーマと,ポスターとしての表現力,的確な質疑応答が高く評価されました。

ポスター発表奨励賞(2名)

来田 玲子(くるた れいこ)さん(札幌市立大学デザイン学部)

「憶えゆく森 ー心は想う、身体は感じるー」

独創性のある世界観がポスターとして丁寧にまとめられていました。時の流れや記憶といったコンセプトが絵本のような描画のタッチにより表現され,遊歩道で展開されるそれぞれのシーンの理解を深めています。質疑応答についても的確に回答されており,ポスターの表現力とともに評価されました。

池田 瞬哉(いけだ しゅんすけ)さん(北海道教育大学(函館校)国際地域学科)ほか2名

「路面間隙に海崖生植物群落は成立するか?」

海崖生植物を含む海岸植物の多くは海岸という特異な環境に生育するため,各都道府県のレッドデータブックに記載されることも多く,このような希少な植物を保全する目的で,人工構造物や路面間隙が生育地となりうるのかという問いに対して,調査・解析をした有意義な研究である点が評価されました。また的確な質疑応答ができていたことも評価されました。

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2021年10月18日 | カテゴリー : 支部大会 | 投稿者 : jilah

2021年度北海道支部大会 口頭発表・ポスター発表審査結果

2021年度北海道支部大会 口頭発表・ポスター発表審査結果


一般部門

■ 審査概要

一般部門は口頭発表1件、ポスター発表2件の発表がありました。

着眼点、問題意識、社会性、実用性・応用性、適時性等の観点から審査を行いました。

■ 全体的な講評

今年度は、市街地内の街路樹の景観評価に関するテーマ、沿道の草本管理手法に関するテーマ、コロナ禍における公園運営に関するテーマなど、みどりの管理・運営にかかわる研究発表がありました。審査の結果、優れた発表と評価された1件にポスター発表優秀賞を授与します。

 

ポスター発表優秀賞(1

大工 秀樹札幌開発建設部 国営滝野すずらん丘陵公園事務所、ほか3

「国営滝野すずらん丘陵公園のコロナ禍における管理運営について」

 

コロナ禍における公園の管理運営に関するテーマ発表です。

昨年2月からの緊急事態宣言の発令・解除の動きに合わせ、利用者の受け入れ対応をどのように行ってきたのか時系列にまとめた上で、入園者数の変動を把握しています。さらにモニタリング調査を通じてコロナ禍前後の来園者属性(年齢、集団、居住地)や満足度の変化を解明し、コロナ禍における公園運営のあり方について考察しています。

研究テーマ設定は適時性が高く、かつ研究成果は今後の公園運営に広く援用しうる実用性・応用性の高い知見を有しており、優秀賞にふさわしい発表と評価されます。


学生部門

■審査概要

  • 学生の口頭発表は6件,ポスター発表は24件の応募がありました。
  • 「新規性」「論理性」「表現力」「質疑応答」の4点について審査員7名(口頭発表3名,ポスター発表4名)による審査を行いました。

■全体的な講評

・口頭発表

新規性や独創性に富んだ意欲的な研究が多く,造園学の発展に寄与できる発表でした。今年度は,昨年度に引き続きインターネットを介した口頭発表セッションとなりましたが,多くの学生が,はきはきとしたプレゼンテーションを行っていたことが印象的でした。

今年度は,総合的に優れていると判断した発表は残念ながらありませんでしたが,着眼点,論理性や質疑応答が優れていた2件に口頭発表奨励賞を授与します。

・ポスター発表:

 今年度のポスター発表は,事前審査としてWebサイト上でのファイル掲載とコメントの書き込みによる質疑応答を実施し,加えて大会当日のオンライン発表の二段階で実施しました。大学での演習課題や卒業研究の中間報告が大半を占めましたが,地域課題や新たな社会ニーズに着目し取り組んでいるもの,感性豊かな発想を生かして意欲的に取り組んでいるものがみられ,今後の展開に期待が持てる発表が多い印象でした。

以上を踏まえ,特に表現力と質疑応答が高評価で,総合的に優れていると判断した2名にポスター発表優秀賞,着眼点及び今後の発展に期待が寄せられた2名にポスター発表奨励賞を授与します。

 

口頭発表奨励賞(2名)

伊藤 瑠海(いとう るみ)さん(北海道大学大学院農学院)ほか5名

「COVID-19の流行が国立公園利用者の混雑感に与える影響」

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)に関する意識の差異が,観光地での混雑感に及ぼす影響を明らかにしようとした研究です。きわめて話題性が高い研究テーマであり,ウェブと現地の双方でアンケート調査に取り組んで優れた分析を行っていたこと及び明快で的確な質疑応答ができていたことなどが高く評価されました。

千葉 利久(ちば りく)さん(北海道大学大学院農学院)ほか1名

「野鳥への餌付けが人と野鳥との距離に及ぼす影響」

野鳥が人間に対して保つ距離に着目し,緑地での餌付けが野鳥の行動に及ぼす影響を明らかにしようとした研究です。優れた着眼点があり,繰り返しフィールドワークを行ってデータを収集していたこと,提示された図表が理解されやすいように工夫されていたこと及び的確な質疑応答ができていたことなどが高く評価されました。

ポスター発表優秀賞(2名)

能戸 紫月(のと しづき)さん(札幌市立大学デザイン学部)

「der wald」

直感的に理解しやすいレイアウト構成になっており,童話をモチーフにした遊歩道のアイディア,絵本のような描画のタッチも含め,ポスターとしての訴求力,構成力が高く評価されました。またWeb上での事前審査,オンラインでの当日審査ともに適切な質疑応答ができており,ポスター発表としての総合的なバランスが高く評価されました。

葛西 芳枝(かさい はなえ)さん(室蘭工業大学工学部)

「高校生の地域に対する意識変化を促す地域課題解決型学習の方向性に関する研究」

改めて地域を見直す視点,広範な課題に対して具体的な取組みイメージが見出しやすかった点が評価されました。またポスターとしてのレイアウト構成も分かりやすく整理されており,卒業研究の中間報告ということもありますが,有意義な発展性を感じられるテーマと,ポスターとしての表現力,的確な質疑応答が高く評価されました。

ポスター発表奨励賞(2名)

来田 玲子(くるた れいこ)さん(札幌市立大学デザイン学部)

「憶えゆく森 ー心は想う、身体は感じるー」

独創性のある世界観がポスターとして丁寧にまとめられていました。時の流れや記憶といったコンセプトが絵本のような描画のタッチにより表現され,遊歩道で展開されるそれぞれのシーンの理解を深めています。質疑応答についても的確に回答されており,ポスターの表現力とともに評価されました。

池田 瞬哉(いけだ しゅんすけ)さん(北海道教育大学(函館校)国際地域学科)ほか2名

「路面間隙に海崖生植物群落は成立するか?」

海崖生植物を含む海岸植物の多くは海岸という特異な環境に生育するため,各都道府県のレッドデータブックに記載されることも多く,このような希少な植物を保全する目的で,人工構造物や路面間隙が生育地となりうるのかという問いに対して,調査・解析をした有意義な研究である点が評価されました。また的確な質疑応答ができていたことも評価されました。

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