第14次「北の造園遺産」候補の募集について

「ランドスケープ遺産」及び「北の造園遺産」候補の募集

 

                         (公社)日本造園学会北海道支部

 

日本造園学会では各支部と共同して、全国的に「ランドスケープ遺産」の収集と目録の作成を進めております。造園・ランドスケープに関わる空間で、将来に向けての保全を検討すべき対象を把握すると共に、目録を作成して記録に残していくものです。また北海道支部では、それらの中から特に優れたものを『北の造園遺産』として認定し、顕彰する活動を行ってきました。

これまで13回の募集を行い、その結果約200件のランドスケープ遺産の収集が行われました。また、その中から選考委員会により、合計38箇所を『北の造園遺産』として認定しております。

今年もまた、別紙の要領に基づいて募集を実施いたします。みなさんの身近なところや旅行先で気付いた場所など、様々な造園やランドスケープに関わる事例を推薦していただきたいと思います。

趣旨にご理解の上、積極的にご応募頂きますようお願いいたします。

※第14次北の造園遺産募集要領

※北の造園遺産応募用紙(PDF)


「ランドスケープ遺産」及び「北の造園遺産」候補の募集要領

                         

(公社)日本造園学会北海道支部

 

(1)募集対象

北海道に現存し、造園・ランドスケープに関わる空間で、将来に向けての保全を検討すべき対象であり、公園や庭園、街路樹や並木、造園材料や造園の道具なども含まれます。

歴史的・文化的な遺産の場合においては、概ね整備後約50年を目途としますが、それ以下でも選考対象としますので、ふるって応募下さい。当初形態が変化していても、ランドスケープとして持続的に存続しているものを含みます。ただし、跡地となっていて営みが停止していたり、消滅しているものなどは含みません。

例えば、空間としては下記のようなものがあげられます。

・    デザインされた空間・景観(公園、庭園、並木・街路樹など)(イベントを含む)

・    生活・生業・信仰等により形成された空間・景観(文化的景観など)(イベントを含む)

・    時代・文化の中で価値付けられた空間・景観(国立公園など)(イベントを含む)

・    生態学的特性など自然科学的な学術上の価値に特徴のある空間・景観

・    その他(現存する空間・景観以外の計画・設計図書、道具・用具、品種など)

(2)記載内容

できるだけ多くの事例をあげ、次の事項を記載して下さい。

  • 名称(名称がない場合は事例の様子を適宜表現して下さい)
  • 所在地(市区町村名)、および地区等
  • 事例として取り上げた理由など:事例の概要、作品等においては完成した年代や社会的な重要性を示す年代、また、自然的なものにおいては、保全すべき事由や契機など、広く「北の造園遺産」候補として取り上げるべきとの考え方を簡潔に記載してください。

(3)応募資格

  どなたでも応募できます。(学会員でなくても応募できます)

(4)応募方法

名称、完成年、所在地、推薦理由などを「北の造園遺産応募用紙」に記入し、提出して下さい。なお、個人情報については、「ランドスケープ遺産及び北の造園遺産候補応募用紙」および資料に関する連絡に使う以外、公開公表致しません。

※北の造園遺産応募用紙(PDF)

原則としてデーター(isan@jila-hokkaido.com)でお送り下さい。郵送の場合は、大変恐れ入りますが、送料のご負担をお願い致します。

(5)応募締め切り

 2023(R5)年 3月31日

(6)審査方法

ご推薦いただいた候補は、北海道支部の北の造園遺産研究会で予備審査を行い、選考対象の絞り込みとランドスケープ遺産の目録づくりを行います。ある程度絞り込まれた候補は、支部に設置される「北の造園遺産選考委員会」によって審査にあたり、その中から特にすぐれたものを「北の造園遺産」として認定します。

皆様の応募によって、目録の内容やカテゴリーが決定されるという側面がありますので、できるだけたくさんの応募をいただきますようよろしくお願いいたします。

(7)提出先

(公社)日本造園学会北海道支部事務局

  005-0864 札幌市南区芸術の森1丁目 札幌市立大学デザイン学部内

            担当:椎野亜紀夫 

      電話011-592-2617 、e-mail isan@jila-hokkaido.com

 

【参 考】 

 ■ランドスケープ遺産について

これまでに道内で収集されているランドスケープ遺産は約200件あります。

次のようなものが含まれています。

「都市公園、庭園、自然公園(森林、湖沼、湿原、山岳地、海岸、温泉、キャンプ場等)、社寺・境内(社寺林等)、学校・キャンパス、並木・街路樹、植物園、緑地(防風林、防雪林、海岸林、都市林、自然林等)、産業遺産(農場、牧草地、橋梁、炭鉱等)、レクリエーション施設(ゴルフ場)、造園樹木 など」


第14次北の造園遺産募集要領

※北の造園遺産応募用紙(PDF)

研究会「GGNが取り組む自生種のランドスケープ・地域性の再発見と修復のデザイン」(10/7 online) のご案内

日時:2022年10月7日(金)15:00〜16:30

会場:オンライン(zoom)

申込:事前申込制 → こちらから

主催:(公社)日本造園学会北海道支部

参加費:無料(どなたでも参加できます)

 

※この研究会は造園CPD認定プログラムです。

[ID:7136] 2022-10-07 「研究会「GGNが取り組む Landscape Design – 自生種による Landscaping」」
[単位]1.5
認定番号:22-0293

 

趣旨:シアトルを拠点に国内外のプロジェクトを手掛けるGGNでシニア・アソシエイツとして活躍されている篠原千尋さんを講師に迎え、自身のキャリアパスとともに、これまで取り組んでこられたプロジェクトでの試行錯誤、地球環境問題と地域経済の再構築を見据えた長期計画の取り組み、新たな地域性の創出、など GGNがなぜ 自生種の植栽をデザインツールとして重要視しているのかを軸にお話しただきます。

話題提供:篠原千尋 氏(GGN シニア・アソシエイツ)

講師紹介:北海道出身。札幌市立高等専門学校にて環境デザインを学ぶ。卒業後渡米し University of Illinois at Urbana-Champaign にてランドスケープデザインを学ぶ。その後、University of Virginia にて MLA と MArch を取得。GGN では複雑な都市部におけるエレガントで機能的な解決策の探求を目指し、ワシントンDC のスミソニアン国立アフリカ系アメリカ人歴史文化博物館、韓国ソウルの Dongtan 公園、ワシントン州 Bellevue の Spring District Parks などを手掛けている。現在、カリフォルニア州サンフランシスコにある India Basin Shoreline Park のプロジェクトデザイナーを務める。
https://www.ggnltd.com/chihiro-shinohara

GGN (Gustafson Guthrie Nichol) について:シアトルに拠点を置くランドスケープ・アーキテクチャー事務所。45名のデザイナーや専門家を擁し、シカゴのミレニアムパーク内にある「ルリー・ガーデン」、ワシントンDC の「スミソニアン国立アフリカ系アメリカ人歴史文化博物館」のランドスケープデザイン、大阪「うめきた」のまちづくりなど、国内外で数々のプロジェクトを手掛ける。特に地域の歴史、文化、風土を読み解き、生態系や自然システムの修復や、マイノリティー・コミュニティの文化や権利を可視化するデザインに重点を置いている。

 

問い合せ先:松島肇(北海道大学大学院農学研究院/日本造園学会北海道支部 研究会担当)
 matts【@】eis.hokudai.ac.jp
 *【@】は半角@に変更して下さい。

研究会「グリーンインフラの最前線から」のご案内(10/7 online)

日時:2022年10月7日(金)18:00〜19:00

会場:オンライン(zoom)

申込:Peatix にて事前申込をお願いします → こちらから

主催:(公社)日本造園学会北海道支部

参加費:無料(どなたでも参加できます)

 

※この研究会は造園CPD認定プログラムです。

[ID:7137] 2022-10-07 「研究会「グリーンインフラの最前線から」」
[単位]1.0
認定番号:22-0294
 

趣旨:流域治水関連法は,グリーンインフラとしての緑地が有する雨水貯留浸透機能に着目し,流域水害対策計画に「市町村による浸水被害の防止を目的とした緑地に関する施策」を位置づけている。今後,流域治水推進等の観点から,緑地の雨水貯留浸透機能の維持・向上を図っていく上では,そのベースとして,降雨が単位時間に地表面から土壌中に浸透していく量(降雨の浸透能)を,市町村等が必要な精度で簡便に測定・推定できる手法が必要となる。
 国土技術政策総合研究所では,グリーンインフラの有する各種機能の評価、調査手法について総合的に研究を進めている。一方,建築研究所では,横浜市の特別緑地保全地区内の林地と都市公園内の林地及び芝生地などで実証実験を行い,携帯型ミニディスクインフィルトロメータや山中式土壌硬度計で浸透能を推定する手法を研究開発している。
 今回の研究会では,国土交通省が主導するグリーンインフラ研究の取りまとめを中心的に担っている,国土技術政策総合研究所の金甫炫氏と建築研究所の戸田克稔氏に,グリーンインフラ研究の全体像とその方向性,最新の研究成果などについて話題提供していただき,参加者を含めたディスカッションを行いたいと思います。日本造園学会北海道支部会員に限らず,多くの皆さまのご参加をお待ちします。

話題提供:
 金甫炫氏(国土交通省省国土技術政策総合研究所)
 戸田克稔氏(国立研究開発法人建築研究所)

モデレータ&問合せ:太田広(公益社団法人日本造園学会北海道支部)
 hiroskye【@】gmail.com
 *【@】は半角@に変更して下さい。

見学会「アイヌ文化のランドスケープを訪ねて」開催報告

見学会「アイヌ文化のランドスケープを訪ねて」開催報告

 

日時:2021年11月6日(土)

見学先:民族共生象徴空間(白老町)、重要文化的景観(平取町)、平取町立二風谷アイヌ文化博物館(平取町)

レクチャー講師:堀江純子氏(アイヌ民族文化財団)、長田佳宏氏(平取町教育委員会)

コーディネート:太田広(国立研究開発法人土木研究所)

主催:日本造園学会北海道支部

協力:アイヌ民族文化財団、平取町教育委員会

 

見学会「アイヌ文化のランドスケープを訪ねて」が11月6日(土)に行われました。日本造園学会北海道支部が主催する見学会は、昨年度、新型コロナウイルス感染拡大により中止となり、今年度も感染状況が心配されましたが、北海道の感染状況は十分落ち着いていることから、感染対策をとった上で、予定通り実施されることとなりました。大学・研究機関、ランドスケープ・コンサルタント、造園建設業、学生、一般など10名の参加がありました。

 

1箇所目の見学先であるウポポイ(民族共生象徴空間)は、アイヌの歴史・文化を学び伝えるナショナルセンターとして、2020年に白老町に開設されました。ウポポイでは、国立アイヌ民族博物館等を自由見学したあと、『2020年度日本造園学会北海道支部大会研究・事例報告発表要旨/会報』の特集記事に「ウポポイとアイヌの有用植物」と題してご寄稿いただいた、アイヌ民族文化財団の堀江純子氏に「ウポポイとアイヌの有用植物」に関連してレクチャーただきました。レクチャーは、昨年度の寄稿を幅広く発展させた内容で、ウポポイの位置づけから、アイヌ文化の祭事やこれに用いる植物、これらの有用植物を入手する上での課題、また園内で再現しようしている植生や植物の展示方法の検討状況などについて、写真や資料で分りやすく紹介いただきました。レクチャー後に行われた質疑応答では、アイヌ文化では草花を楽しむ文化はあるかという問いに対して、有用植物400種以上にアイヌ名があるが、有用でない植物については名前がないということ、アイヌ文化の紹介に用いる有用植物の調達に課題があることや、周辺自然林に生育する有用植物の育成や利用、観察など含め連携への取り組みなどについて、質疑や今後への期待が議論されました。予定時間を大幅に超えて、大変中身の濃い、示唆に富む解説が行われました。

 

 2箇所目の見学先である平取町立二風谷アイヌ文化博物館では、平取町教育委員会の長田佳宏氏から、新型コロナウイルス感染対策として導入されたワイヤレスガイドの受信機、ヘッドホンを通じて、博物館やダム湖周辺の重要文化的景観については屋外で、また、博物館の主な展示物については館内で、2時間近くに渡り、大変詳しく、かつ、熱心な解説をいただきました。2007年に重要文化的景観に選定された「アイヌの伝統と近代の開拓による沙流川流域の文化的景観」では、アイヌ文化に欠かせない樹木を含む森林植生が近代以降の森林施業などにより変化していることや、アイヌ文化伝承のための活動として、植樹が続けられていることや、チセ(アイヌの家屋)の修復などが地域住民により行われている意義等について、解説いただきました。参加者からは「大変有益でした」「理解が深まりました」 「景観の考え方や針広混交林等参考になることが多かったです」などの感想が寄せられました。

 

見学会「アイヌ文化のランドスケープを訪ねて」は、日本造園学会会員への先行受付を開始します。

アイヌ文化のランドスケープを訪ねて」は、2021年11月3日(水)18:00までに、イベント管理システムPeatixの「専用サイト」からお申し込み願います。
 
2021年10月20日(水)より日本造園学会会員への先行受付を開始します。
日本造園学会会員以外の一般受付は、2021年10月27日(水)より受付開始予定です。

2021年度北海道支部大会 口頭発表・ポスター発表審査結果

2021年度北海道支部大会 口頭発表・ポスター発表審査結果


一般部門

■ 審査概要

一般部門は口頭発表1件、ポスター発表2件の発表がありました。

着眼点、問題意識、社会性、実用性・応用性、適時性等の観点から審査を行いました。

■ 全体的な講評

今年度は、市街地内の街路樹の景観評価に関するテーマ、沿道の草本管理手法に関するテーマ、コロナ禍における公園運営に関するテーマなど、みどりの管理・運営にかかわる研究発表がありました。審査の結果、優れた発表と評価された1件にポスター発表優秀賞を授与します。

 

ポスター発表優秀賞(1

大工 秀樹札幌開発建設部 国営滝野すずらん丘陵公園事務所、ほか3

「国営滝野すずらん丘陵公園のコロナ禍における管理運営について」

 

コロナ禍における公園の管理運営に関するテーマ発表です。

昨年2月からの緊急事態宣言の発令・解除の動きに合わせ、利用者の受け入れ対応をどのように行ってきたのか時系列にまとめた上で、入園者数の変動を把握しています。さらにモニタリング調査を通じてコロナ禍前後の来園者属性(年齢、集団、居住地)や満足度の変化を解明し、コロナ禍における公園運営のあり方について考察しています。

研究テーマ設定は適時性が高く、かつ研究成果は今後の公園運営に広く援用しうる実用性・応用性の高い知見を有しており、優秀賞にふさわしい発表と評価されます。


学生部門

■審査概要

  • 学生の口頭発表は6件,ポスター発表は24件の応募がありました。
  • 「新規性」「論理性」「表現力」「質疑応答」の4点について審査員7名(口頭発表3名,ポスター発表4名)による審査を行いました。

■全体的な講評

・口頭発表

新規性や独創性に富んだ意欲的な研究が多く,造園学の発展に寄与できる発表でした。今年度は,昨年度に引き続きインターネットを介した口頭発表セッションとなりましたが,多くの学生が,はきはきとしたプレゼンテーションを行っていたことが印象的でした。

今年度は,総合的に優れていると判断した発表は残念ながらありませんでしたが,着眼点,論理性や質疑応答が優れていた2件に口頭発表奨励賞を授与します。

・ポスター発表:

 今年度のポスター発表は,事前審査としてWebサイト上でのファイル掲載とコメントの書き込みによる質疑応答を実施し,加えて大会当日のオンライン発表の二段階で実施しました。大学での演習課題や卒業研究の中間報告が大半を占めましたが,地域課題や新たな社会ニーズに着目し取り組んでいるもの,感性豊かな発想を生かして意欲的に取り組んでいるものがみられ,今後の展開に期待が持てる発表が多い印象でした。

以上を踏まえ,特に表現力と質疑応答が高評価で,総合的に優れていると判断した2名にポスター発表優秀賞,着眼点及び今後の発展に期待が寄せられた2名にポスター発表奨励賞を授与します。

 

口頭発表奨励賞(2名)

伊藤 瑠海(いとう るみ)さん(北海道大学大学院農学院)ほか5名

「COVID-19の流行が国立公園利用者の混雑感に与える影響」

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)に関する意識の差異が,観光地での混雑感に及ぼす影響を明らかにしようとした研究です。きわめて話題性が高い研究テーマであり,ウェブと現地の双方でアンケート調査に取り組んで優れた分析を行っていたこと及び明快で的確な質疑応答ができていたことなどが高く評価されました。

千葉 利久(ちば りく)さん(北海道大学大学院農学院)ほか1名

「野鳥への餌付けが人と野鳥との距離に及ぼす影響」

野鳥が人間に対して保つ距離に着目し,緑地での餌付けが野鳥の行動に及ぼす影響を明らかにしようとした研究です。優れた着眼点があり,繰り返しフィールドワークを行ってデータを収集していたこと,提示された図表が理解されやすいように工夫されていたこと及び的確な質疑応答ができていたことなどが高く評価されました。

ポスター発表優秀賞(2名)

能戸 紫月(のと しづき)さん(札幌市立大学デザイン学部)

「der wald」

直感的に理解しやすいレイアウト構成になっており,童話をモチーフにした遊歩道のアイディア,絵本のような描画のタッチも含め,ポスターとしての訴求力,構成力が高く評価されました。またWeb上での事前審査,オンラインでの当日審査ともに適切な質疑応答ができており,ポスター発表としての総合的なバランスが高く評価されました。

葛西 芳枝(かさい はなえ)さん(室蘭工業大学工学部)

「高校生の地域に対する意識変化を促す地域課題解決型学習の方向性に関する研究」

改めて地域を見直す視点,広範な課題に対して具体的な取組みイメージが見出しやすかった点が評価されました。またポスターとしてのレイアウト構成も分かりやすく整理されており,卒業研究の中間報告ということもありますが,有意義な発展性を感じられるテーマと,ポスターとしての表現力,的確な質疑応答が高く評価されました。

ポスター発表奨励賞(2名)

来田 玲子(くるた れいこ)さん(札幌市立大学デザイン学部)

「憶えゆく森 ー心は想う、身体は感じるー」

独創性のある世界観がポスターとして丁寧にまとめられていました。時の流れや記憶といったコンセプトが絵本のような描画のタッチにより表現され,遊歩道で展開されるそれぞれのシーンの理解を深めています。質疑応答についても的確に回答されており,ポスターの表現力とともに評価されました。

池田 瞬哉(いけだ しゅんすけ)さん(北海道教育大学(函館校)国際地域学科)ほか2名

「路面間隙に海崖生植物群落は成立するか?」

海崖生植物を含む海岸植物の多くは海岸という特異な環境に生育するため,各都道府県のレッドデータブックに記載されることも多く,このような希少な植物を保全する目的で,人工構造物や路面間隙が生育地となりうるのかという問いに対して,調査・解析をした有意義な研究である点が評価されました。また的確な質疑応答ができていたことも評価されました。

見学会「アイヌ文化のランドスケープを訪ねて」のご案内

見学会「アイヌ文化のランドスケープを訪ねて」のご案内

日時:2021年11月6日(土)8:30(札幌駅集合)~18:00頃(札幌駅解散)

見学先(予定):民族共生象徴空間(白老町)、重要文化的景観(平取町)、平取町立二風谷アイヌ文化博物館

主催:日本造園学会北海道支部

協力(予定):アイヌ民族文化財団、平取町教育委員会

参加定員:25名(申込先着順)

参加費:(施設入場料を含みます)

  • 日本造園学会会員3600円
  • 一般(学会員以外)4600円
  • 学生(学会員以外)3600円

 *昼食はウポポイ(民族共生象徴空間)園内レストラン、フードコート等で各自適宜お取り願います。


ご案内

ウポポイ(民族共生象徴空間)は、アイヌの歴史・文化を学び伝えるナショナルセンターとして、長い歴史と自然の中で培われてきたアイヌ文化をさまざまな角度から伝承・共有するとともに、人々が互いに尊重し共生する社会のシンボルとして、また、国内外、世代を問わず、アイヌの世界観、自然観等を学ぶことができるよう、2020年に白老町に開設されました。

 一方、2007年に重要文化的景観に選定された「アイヌの伝統と近代の開拓による沙流川流域の文化的景観」は、アイヌ文化の諸要素及びアイヌ固有の信仰や自然観を現在にまでとどめながら、近代開拓期以降の農林・畜産業に伴う土地利用がその上に展開することによって形成された重層性が示す貴重な文化的景観です。平取町立二風谷アイヌ文化博物館では、沙流川流域のアイヌ文化を学ぶための標識的な資料として、重要文化的景観にも選定されたチセ群のほか、アイヌの民具、視聴覚資料、関係図書等が納められています。

 このうち、ウポポイ(民族共生象徴空間)については、2020年度日本造園学会北海道支部大会『研究・事例報告発表要旨/会報』において特集され、アイヌ民族文化財団の堀江純子氏に「ウポポイとアイヌの有用植物」と題して、寄稿いただきました。

今回の見学会では、堀江純子氏より「ウポポイとアイヌの有用植物」について、ウポポイ現地でレクチャーいただくとともに、平取町では平取町立二風谷アイヌ文化博物館館長の長田佳宏氏より「アイヌの伝統と近代の開拓による沙流川流域の文化的景観」などについて解説いただくことを計画しています。アイヌ文化やこれを育むランドスケープに関心のある皆さまのご参加をお待ちします。

 

レクチャー講師(予定)

堀江純子氏(アイヌ民族文化財団)

長田佳宏氏(平取町教育委員会)


コーディネート及び問い合わせ先

太田広(日本造園学会北海道支部運営委員会)

oota-h8911【@】ceri.go.jp

*【@】は半角@に変更して下さい。


参加申込方法

「2021年11月3日(水)18:00までに、「専用サイト」からお申し込み願います。申込受け付け及び参加費の決済(クレジットカード払いまたはコンビニ/ATM払い)は、イベント管理システムPeatixを利用します。2021年10月20日(水)より日本造園学会会員から先行受付を開始します。」

※申し込み専用サイト

 参加者の皆さまはPeatixが発行するチケット(参加券)を印刷してお集まり願います。集合場所等の詳細は前日までに参加者の皆さまに電子メールでご案内する予定です。


新型コロナウイルス感染対策について:

  • バス内でのソーシャル・ディスタンス確保のため、見学会参加定員をバス定員の半分25名とします。
  • 37.5度以上の発熱など風邪症状がある場合は参加をお控え下さい。
  • バス内での会話は最小限とし、大声での会話はお控えください。
  • マスク着用の徹底をお願います。
  • 手指衛生の徹底をお願います。

中止の連絡と参加費の返金

  • 新型コロナウイルス感染拡大等、主催者の判断により、見学会を中止する場合があります。中止の場合には、前日までにイベント管理システムPeatixでお知らせするとともに、参加者に電子メールで連絡します。
  • 主催者の判断により中止の場合は、参加費よりPeatix手数料を差し引いた金額を返金しますので予めご了承願います。
  • 参加者の都合により不参加の場合は返金しませんのでご了承願います。

*主催者では国内旅行傷害保険等は加入しておりません。必要な方は各自加入をご検討願います。

研究会「“生態学的混播・混植法”による森づくりとその実践」開催報告

研究会「“生態学的混播・混植法”による森づくりとその実践」開催報告

 

日時:2021年9月29日(水)18:00〜19:00(オンライン)

話題提供:藤浪武史氏(国立研究開発法人土木研究所寒地土木研究所)

モデレータ:太田広((公社)日本造園学会北海道支部)

 

北海道支部が主催する研究会「“生態学的混播・混植法”による森づくりとその実践」が9月29日(水)18時より、オンラインで行われました。参加者は、大学・研究機関、ランドスケープ・コンサルタントなど23名で、東京、大阪など北海道外からの参加もありました。

“生態学的混播・混植法”は、噴火による荒廃地に先駆性や遷移中後期性の樹種が一斉に侵入することを参考に、北海道科学大学や寒地土木研究所などで開発された、自然に近い樹林の再生を目的とした実践的な森づくりの方法です。

研究会では、“混播・混植法”で植樹された地区のモニタリングやデータの解析を進めている、寒地土木研究所の藤浪氏より、これまでの植樹活動の実践と樹林形成の概要について話題提供していただきました。

また、本研究会に参加された“混播・混植法”の共同開発者でもある岡村俊邦氏(北海道科学大学名誉教授)からは、技術開発に着手した1991年当時は、播種を中心に実施していたことや、樹木生長の追跡調査の実施、植樹基盤の簡素化など常にPDCAサイクルを回し、改良を加えてきたことなどが紹介されました。

参加者からは、植生遷移までを計画して植樹を行っているのか等の質問があり、これに対し、二次遷移を対象とし、多様な光環境により植生遷移が起こるはずだとの考えで実施していること、また、植樹する樹種の中には針葉樹も含まれており、針広混交林の形成につながるとの考えが示されました。このほかにも、シカ食害対策についてや、積雪が樹木の生長に与える影響、植樹した地区別の生長の違いなどについて活発な質疑が行われ、予定の1時間を超えて、有意義な研究会となりました。

今後も、北海道支部では、ランドスケープ科学、造園学に関連するテーマを毎回設定して、研究会を企画していきたいと考えています。なお、この研究会は造園CPDの認定プログラムとして行われました。

 

2021年度北海道支部大会・造園CPDの認定単位について

造園学会北海道支部大会の各プログラムは造園CPD認定プログラムとなっています。
 
【認定番号:21-0201】「2021年度日本造園学会北海道支部大会 研究・事例報告/口頭発表」
 【単位】2.0
【認定番号:21-0202】「2021年度日本造園学会北海道支部大会 研究・事例報告/ポスター発表」
 【単位】2.0
【認定番号:21-0203】「2021年度日本造園学会北海道支部大会 シンポジウム「花のまちづくり-北の暮らしとガーデニング」」
 【単位】2.5
なお、造園CPDの単位を取得するためには、事前申し込みが必要です。
希望される方は必ず、以下のリンクから【10月14日(木)17時までに】申込みをお願いいたします。