218 外国人旅行者から見た都市公園における観光の可能性

葉 羽容(北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院)

要旨:都市公園はパブリックコモンズである。従来の利用は地域住民が中心で、都市公園は均質化の状況にあった。日本では2017年に都市公園法が改正され、各地で公園活性化の取組みが見られた。また、じゃらんの研究冊子から外国人観光客が都市公園を訪れる意向が高いということが分かった。本研究では札幌市の都市公園を対象として、2021年にインバウンド観光が戻るのを前提に、都市公園を訪れる外国人旅行者の利用状況と意識調査を行う。結果として公園における外国人旅行者のまなざしとニーズを解明し、都市公園という空間を見直したいと考える。

 

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218 外国人旅行者から見た都市公園における観光の可能性」への10件のフィードバック

  1. 都市公園における観光の可能性というテーマ意識は面白いと思います。一方で、都市公園という広い枠組みと、日常性、自然といったキーワードが散見されますが、大通公園やモエレ沼公園といった既に観光地として認知されているもの、地区公園や街区公園などの日常的なものなど、都市公園の種類に関わる調査方法や分析方法のイメージをご説明ください。

    • 野村さん、コメントいただきありがとうございました。

      最初はインバウンドに対して、日本の公園は自然、あるいは地元の日常性など、何が魅力として認識されているかを調査したいと思いますので、それによりインバウンドが訪れる公園、つまり野村さんの言う通り観光地として認知されている公園で調査を行い、観光客の活動内容をタイプにより分類し、意識などにインタビューすると予定していましたが、インバウンド観光が戻らない可能性があるため、どういった手法で地元以外の外部者の独特な見方を見出せるか、現在は調査対象について考えなおししております。

  2. 北海道教育大の村上です。
    都市公園の均質化の問題というのは具体的には、どういう問題なのか教えてください。

    • 村上さん、コメントいただきありがとうございました。

      均質化とは画一化になると認識しております。多くの人に対して、公園は遊具、ベンチや木などで成り立っているイメージでした。
      国土交通省の資料において、公園は3種の神器という画一的な整備から、個性を引き出そうとする考えへという法律改正の理由があげられた。日本では行政自ら改善しようとする動きが見られるため、観光振興にもつながるのではないかと思い、調査対象を日本の公園にしました。

  3. この研究で対象とする都市公園とはどのようなものなのかご教示願います。街区公園等の身近な公園も含まれるか等々、種別、規模、立地等ある程度限定した方がよいのではと思いました。観光客、特に外国人観光客にとっては、来訪地が都市公園(都市公園法に基づく)であるか否かは意識しておらず、出身国での「都市公園」のイメージも様々ではないかと思われます。

    • 太田さん、コメントいただきありがとうございました。

      ご意見ありがとうございました。観光客の活動を調査したいため、観光客の認知度が高くて訪問しやすいという点を考えた上、対象の公園は比較的に大きな都市基幹公園にします。札幌市では中島公園や円山公園などが考えられます。

      また、調査は公園の現場で観光客に活動内容、動機や感覚などを伺うことになります。ご意見の通り外国人観光客のイメージや見方は異なっています。その点をいかし、調査では観光客が日本の公園で注目する所、目を向ける場所を知りたいことを目的とします。

  4. 北海道大学花卉・緑地計画学研究室3年の植野です。都市公園も観光地として発展させる可能性が多くあると知り、面白かったです。自然を求めていること、非日常な空間を求めていること、Park-PFIの導入で観光地の魅力が上がるというのが直接結びつかなかったです。また対象とする公園や外国人を絞って考えると具体的なことがわかりやすいと思いました。

    • 植野さん、コメントいただきありがとうございました。

      貴重なご意見ありがとうございました。確かに植野さんの言う通り、一つのポイントに絞って分析した方が具体的な結果につながると思います。現段階では観光客の目を向けた非日常を、利用行動から見つけたいと考えております。

      また、外国人に絞るというご意見についても今後検討いたします。ありがとうございました。

  5. 都市公園について、インバウンドの観光資源としての可能性に目を向けた興味深い研究だと思いました。特に期待する結果のなかで、どのような「当地の日常も一つの魅力」が観光客に受け取られるのかが明らかになると、自分たちでも気が付かなかった都市公園の新たな面を教えてくれるかもしれないと期待しています。
    当面、インバウンド観光が戻らず調査手法も限られるこもしれませんが、頑張ってください。

    • 篠宮さん、コメントいただきありがとうございました。

      そう言っていただいて大変ありがとうございました。最初に地元と異なる外国人の視点から見た公園に関心を持っているため、このテーマに至りました。だが状況により調査対象を変更しようと思いましたが、今回の発表でいただいたご意見をふまえて外国人にしぼることを改めて検討させていただきます。ご意見の通り、観光客に対する魅力を読み取れる調査方法で今後研究を進めていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

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