220 北海道南部海岸における外来種オニハマダイコンの生育環境について

辻 倖成 (北海道教育大学(函館校)国際地域学科)

要旨:オニハマダイコンCakile edentula(Bigelow)Hook。は北米原産の外来植物である。本種は1981年に初めて国内での生育が確認され、その後多数の生育が報告されている。北海道中北部においては、オニハマダイコンの出現する群落の組成に関する研究はあるが、道南地域では調査されていない。そこで本研究では、道南地域におけるオニハマダイコン群落の立地と、在来植物に与える影響を明らかにすることを試みた。予備調査の結果、オニハマダイコンは海浜の汀線から最も近い打ち上げ帯に10個体から1000個体以上の個体群を形成して生育していることが分かった。ハマニンニクやオカヒジキなどに影響を与えていると考えられるので今後詳細を検討したい。

 

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220 北海道南部海岸における外来種オニハマダイコンの生育環境について」への5件のフィードバック

  1. オニハマダイコンの生育環境について、今後の分析に期待します。基本的なことをうかがいますが、今回調査された海岸は、海浜の大きさに応じて区画を設定されていますが、海岸自体の特徴が異なると思います。北海道中北部の既往研究における調査地も含め、海岸の特徴と群落の立地の関係でわかることがあれば教えて下さい。

  2. 調査地の選定はどのようにしたのかご教示願います。道南地域における調査地以外の海岸のオニハマダイコン群落について情報があれば教えてください。

    •  質問ありがとうございます。
       海浜植物について研究されている他の先輩方の過去のデータからオニハマダイコンが見られる海岸を選定して調査を行いました。
      道南地域における調査地以外のオニハマダイコン群落についてですが、道南地域のオニハマダイコン群落についての研究はあまりされておらず、まだデータが少ない状況です。
      以後更に多くの海岸で調査を行いたいと考えています。

  3.  質問ありがとうございます。 
     北海道中北部での研究で選定されている海浜は人間による撹乱の小さな海岸ですが、今回の研究で調査した海岸の殆どが撹乱や道路の建設により後浜が分断されてなくなってしまっている海岸でした。
     ですがオニハマダイコン群落の立地については大きな差がないように感じました。
     海浜そのものの特徴と群落の立地ついて更に詳しく調査していきたいです。

  4. オニハマダイコンの他の植生への影響を明らかにしようとする意欲的研究ですね。大変興味深い内容です。
    経験的なコメントとなってしまいますが、打ち上げ帯では多くの出現が見られますが、被度自体は他の植物種を含めて大変小さいのではないかと推察されます。つまり、種間競合よりも環境要因(波、砂、塩分飛沫など)に大きく規定されているのではないかと感じていますが、そうでない結果が示されることを期待しています!引き続き頑張ってください。

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