221 函館山林床における絶滅危惧種コジマエンレイソウの生育地特性に関する研究

高木 雄登(北海道教育大学(函館校)国際地域学科)

要旨:函館山に自生する林床植物、コジマエンレイソウ(シュロソウ科エンレイソウ属)は、環境省のレッドリストにおいて、絶滅危惧Ⅱ類に指定されており、今後保護を見込まれる種である。一方で、本種は、函館山において、大集団を形成していることがある。函館山におけるコジマエンレイソウの生育地特性の把握のために、林内の29か所にコドラートを設置し、光環境や土壌水分および植生の調査を実施した。分析途中ではあるが、天空率や土壌含水率がコジマエンレイソウの被度に影響しているようには見えない。今後は、成立している群落タイプの違いとこれらの環境要因との関係について分析する予定である。

 

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221 函館山林床における絶滅危惧種コジマエンレイソウの生育地特性に関する研究」への4件のフィードバック

  1. コジマエンレイソウの生育地について、詳細な分析によりその特性が明らかになりつつあることに期待します。
    一方、知識がないので基本的なことをお聞きしますが、コジマエイレンソウが絶滅危惧種となっている理由は既往研究で一定明らかになっているのでしょうか。その特徴と比較して、函館山での群生の条件を分析されているのでしょうか。あるいは、そもそもその生育地特性が明らかになっていないという理解でよろしいでしょうか。

    • ご質問ありがとうございます。
      コジマエンレイソウについてですが、先行研究は少なく、生態や生育地はまだ明らかになっていないことが多いです。
      群生していることについては、もともとコジマエンレイソウが渡島小島由来であるとされていることもあり、函館山という環境が住みやすいのかもしれません。
      今後も調査を続けていきたいと思います。

  2. 興味深いご報告です。他のエンレイソウ属(オオバナノエンレイソウやエンレイソウなど)の生息地においては、どのような要因が分布に影響するのか、調べられましたでしょうか。やはり天空率と土壌水分でしょうか。

    • コメントありがとうございます。

      今回の調査では、対照区の一つとしてオオバナノエンレイソウ優占区にコドラートを設置しています。詳しく分析は行っていないので確実には言えませんが、オオバナノエンレイソウの方が湿った環境を好むようです。
      他のエンレイソウ属についても、好みの土壌水分の環境があるようで、土壌水分による影響は大きいかもしれません。

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