222 異なるメッシュシートによるオオイタドリの生育状況の比較

佐藤 厚子・畠山 乃(国立開発法人 土木研究所 寒地土木研究所 寒地地盤チーム)

要旨:北海道に広く生育しているオオイタドリは、生育が旺盛であるため道路上まで繁茂し交通安全上の課題となり、生育を抑制できる安価な維持管理方法が求められている。その対策のひとつとして、オオイタドリの生育している箇所をメッシュシートで被覆する方法がある。しかし、メッシュシートの目合いに関する報告例は少ない。そこで、目合いを変えた3種類のメッシュシートにより、施工性やオオイタドリの生育状況を調べた。その結果、調査1年目の結果ではあるが、目合いが大きなメッシュシートでもオオイタドリの生育を抑制できた。

 

[pdf-embedder url=”http://www.jila-hokkaido.com/wp-content/uploads/2020/08/P20-222.pdf”]

 

注意! 発表資料を無断でコピー、転載しないでください。スクリーンショットもご遠慮ください。

このエントリーをはてなブックマークに追加

222 異なるメッシュシートによるオオイタドリの生育状況の比較」への6件のフィードバック

  1. 北海道教育大の村上です。
    大変、面白い技術の紹介をありがとうございます。シンプルな質問なのですが、このシートでオオイタドリを抑制した結果、特にシート1ではオオイタドリ以外の植物の被度が高くなりましたが、種数や多様度はどうでしょうか。

    • 種類や多様度に着目した調査はしませんでしたが、この場所はもともとたくさんの種類の草本類が生育していなく、芝類、タンポポ類、野藤類の3種類程度が生育していました。この中で、シート1と2はこの3種類がシートの上に生育していました。シート3では目合いが小さかったためか、芝類のみが生育していました。今後、種類や多様度に関する調査も実施いたします。

  2. 道路区域内の草地管理は道路管理の実務上の大きな問題であり、大変興味深い調査報告だと思います。
    今後、この技術の実用化に向けては、コストや抑制効果の継続性が課題かと思いますが、現段階で知見があればご教示願います。

    • シートを貼る作業はとても単純で機械を必要としません。このため、貼り付けの作業は180円/m2程度です。シートの耐久性については、10年程度は耐久性があるといわれています。今年、別な箇所で、施工5年目の状態を確認しましたが劣化は見られませんでした。施工後は、維持管理の費用はかからないと考えています。シートの目合いから、オオイタドリ以外の植物が生育し、シートの浮き上がりを抑制できれば、継続性が維持できると考えています。

  3. 北海道大学花卉・緑地計画学研究室3年の植野です。目合いの大きなシート1でもオオイタドリの生育抑制をすることができるというのが興味深かったです。交通安全上の課題であるオオイタドリの管理としてとても良い方法だと思いました。シートの設置でそこを住処とする生物に対してはどのような影響があるのだろうかと疑問に思いました。

    • シートの設置により、シートの下における動植物への影響を考慮していませんでした。シートの設置により、地面との隙間は多少小さくなるので、もしネズミなどの動物が生息していれば、生育しずらい環境になるかもしれません。また、昆虫などについてはシート下への移動は可能かと考えられますが、生息環境が異なるため、変化があるかもしれません。植物については明らかに環境が異なるので、異なった植物体系になるかもしれません。今後調査したいと考えます。もし可能であれば、調査方法などご教授いただきたいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です